どーもVOXです
今回はテイストを変えて、飲食店の経営・運営について書いていこうと思います
その中でも今回は、飲食店の経営の中でも最も重要な一つとされる「人件費(率)」と「人時売上高」について解説していきたいと思います
人時売上高を知っておくと精密なシフトが作れるようになります!
飲食店の基本指標
飲食店じゃなくても会社の経営に必ず関わってくるもの、それが「人件費」ですよね
人件費率(人件費÷売上高×100)は基本的に飲食店だと30%前後、アパレルだと20%前後、スーパーだと10%以下が望ましいと言われています
これは、最終利益が10%になるように計算すると人件費はこれくらいだね、という計算から成り立っています
さて、さきほど「飲食店の人件費率は30%前後が良い」と説明しました
基本的な指標としてはこんな感じです
原価 | 30% |
人件費 | 30% |
家賃 | 10% |
諸経費 | 20% |
利益 | 10% |
売上が100だとしたら
「原価30%、人件費30%、家賃10%、その他経費20%、に抑えると利益が10%残る」
これが基本指標です
FLコスト
そしてさらに細かく見ていくと、「FLコスト」というものが出てきます
これは原価と人件費を合わせたものです
「F=Food」「L=Labor」
このFLコストを60%以内に抑えることが重要という指標もあります
ただ、これはあくまでも指標です
例えば、高級食材を売りにしている店は原価率が上がります
その分どこかの経費を削らなくてはいけません。人件費を25%に抑える、とか
店のジャンルによっても変わってきます
ドリンクがメインのバーなんかは原価が下がります
しかしお客様と会話したり、カクテルを作るときにシェイカーを振って「魅せたり」します
そうすると人件費は30%越えになったりしますよね
セルフサービスのカフェではどうでしょうか?
お客様がオーダーしに来てくれて、商品を運ぶのもお客様、返却もしてくれる
こうなると人件費は必然と下がりますよね
こんな感じで、店のジャンルや売り、立地によって「人件費率」は変動します
『月間売上500万で人件費は120万に抑えてるからまあいいだろ~』
という浅い考えじゃダメってことですね
じゃあどうするか?
ここで登場するのが「人時売上高」という指標です
人時売上高
人時売上高というのは
「従業員1人が1時間にいくら売り上げを出したか」
という数字です
数式で表すと
人時売上高=売上高÷総労働時間
例を挙げると
12時~13時の時間帯売上が2万円あるカフェで、その時間帯に4人の従業員が働いていた
この場合の12時台の人時売上高は
20,000(円)÷4(人)=5,000円
ということになります
1日の例だと
1日の売上が10万、1日の総労働時間が20時間だった場合
100,000(円)÷20(h)=5,000円
こんな感じです
この人時売上高の目標(目安)は4,500円~5,000円くらいが良いとされています
『え?高ければ高いほど良いじゃん?』
と思った人も居るんじゃないでしょうか?
この数字は高すぎてもダメなんです!
先ほどのカフェの例で見てみましょう
12時台のピーク時に2万円の売上、これを2人の従業員で回す、となると、人時売上高は10,000円ですよね
1人がキッチン、1人がレジとドリンクと提供
客単価800円だとしたら、1時間で客数25名、、、
どうでしょうか?飲食店経験者ならすぐ分かると思いますが、まず回せませんw
提供スピードが間に合わない→調理が雑になる→接客が適当になる→ミスが多くなる→クレームが発生する
こんな感じで、負のスパイラルが生まれます。そしてお客様の足も遠のきます、、、
人時売上高は適正を守りましょう
人時売上高を参考にシフトを作ってみる
人時売上高の指標を元にシフトを作ると、細かい部分まで精密に作れます
月 | 目標 | 単位 |
売上高 | 5,000,000 | 円 |
人時売上高 | 5,000 | 円 |
総労働時間 | 1,000 | h |
※月に25日営業として | ||
日 | 目標 | 単位 |
売上高 | 200,000 | 円 |
人時売上高 | 5,000 | 円 |
総労働時間 | 40 | h |
これで1日40時間従業員が働ける、ということが分かりました
あとは、時間別に調整していくだけです
営業時間10:00~20:00の店だとして、開店閉店準備に1時間かかるとしたら
時間 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 合計 |
人時売上高 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 |
目標売上高 | 0 | 10,000 | 18,000 | 35,000 | 22,000 | 15,000 | 10,000 | 10,000 | 20,000 | 30,000 | 20,000 | 10,000 | 0 | 200,000 |
労働時間 | 0 | 2 | 4 | 7 | 4 | 3 | 2 | 2 | 4 | 6 | 4 | 2 | 0 | 40 |
かなりざっくりですがこんな感じです
このまま営業しちゃうと開店準備、片付けが出来ないので、ピーク時間帯から1人区移動させて、とか、アイドルタイムに事務作業やりたいからこの時間帯から1人区、、、という感じで作っていくと繊細なシフトが作れちゃいます!
まとめ
今回は人件費、特に人時売上高について解説してみました
まとめますと
基本的指標は「人件費率30%」
ただし、店のジャンルや「店の売り」、立地などによって変動する
そのために「人時売上高」を参考にする
数式は
人時売上高=売上高÷総労働時間
人時売上高の目標は4,500円~5,000円
こんな感じです!是非参考にしてみてください!